大河ドラマ『青天を衝け』で徳川慶喜の役を務めた草彅剛さん。徳川慶喜として過ごした1年間は、感慨深いものがあったようで、雑誌のインタビューでは、慶喜公の役どころを振り返ると同時に、俳優・草彅剛として、また、SMAPとして駆け抜けてきた芸能人・草彅剛としても、語っています。草彅剛さんらしい、肩のチカラが抜けた素敵なインタビューを紹介します。
目次
草彅剛さん、撮影後も終わった余韻に浸っていた。

草彅剛さんは、大河ドラマ『青天を衝け』での重要な役柄・徳川慶喜として出演していました。
主演の渋沢栄一役・吉沢亮さんとは違い、出ずっぱりということはなかったものの、草彅剛さんとしても、作品と向き合った1年(以上)の期間に対しては、感慨深いものがあったようで、しばらくなんともいえない余韻に包まれていたようです。
慶喜が大好きになった。
ああ、終わったんだな。
(2022年1月号『月刊ザテレビジョン』)
1年やり切って、終わったらほっとして次に進むのかな?と思っていたのですが、慶喜のミステリアスな余韻と言いますか、2~3日はさみしいなとじわじわと思いましたね。
(WEBザテレビジョン)
慶喜公・草彅剛さんが選ぶベストエピソードとは?
堤真一さんとの2人で「緊張感を忘れず」

草彅剛さん演じる徳川慶喜に仕える平岡円四郎役を、堤真一さんが演じました。
草彅剛さんは、これまでにも堤真一さんとの何度か共演しています。
そんな草彅剛さんが印象に残っているとして挙げたシーンが、
堤真一さんが初めて草彅剛さんに仕官し、給仕をするシーンだそうです。
草彅剛さんか見て、堤真一さんは
「変わらず緊張感を忘れずにいられる人」であり
「いつまでたっても、堤さんは堤さんで…」 とのことです。
肩肘はらず自然体で過ごしている印象のある草彅剛さんが、「緊張感を忘れず」、「いつまでたっても堤さんは堤さん」と言わしめる堤真一さんが、すごい俳優さんだということがわかりますね。
草彅剛さんにとって、堤真一さんと共演できたことがとても良い印象であることがわかります。
若手の刺激、「亮くんが初めての大河で燃えていたよね」

『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一を演じる吉沢亮さんは、現在27歳。
吉沢亮さんの強みは、美しすぎる瞳を持つイケメンでありながら、演技はシリアスからコメディまで、主演から助演まで幅広く演じられる、人気若手俳優です。
草彅剛さんは、そんな吉沢亮さんとの共演機会があったことで、自身を鼓舞できたようです。
(吉沢亮さんと)同じエネルギーや若さは僕にはないけど、
それならば、今の自分は慶喜をどのように演じればいいかというのを思わせてくれた。
(2022年1月号『月刊ザテレビジョン』)
亮くんも、初めての大河で燃えていたよね
(2022年1月号『月刊ザテレビジョン』)
草彅剛さんは、現在47歳で、芸歴30年以上の大ベテラン。
そんな草彅剛さんが、自身を鼓舞させるほどの存在感を見せつけた吉沢亮さんの凄さがよくわかりますよね。
そして、大ベテランにもかかわらず、草彅剛さんが、吉沢亮さんのことを認めているということをサラっと言ってのけるところも素晴らしいと思います。
渋沢栄一は、実業家として活躍した後、古希を迎えるころに、ほとんどの会社から手を引きますが、晩年まで徳川慶喜の名誉を回復するために聞き取り調査をし、伝記を作ろうとする間柄です。
そんな歴史背景のもと、草彅剛さんは、吉沢亮さんと、最後の撮影に臨んだそうです。
草彅剛さんは、さまざまなインタビューで、「最後のシーンはいいシーンが撮れた」と話しています。
草彅剛さんにとって、吉沢亮さんとの出会いは、それだけ大きな刺激があったということなのでしょう。
大河スタッフから、おちゃめ将軍をたしなめられた?!
草彅剛さんは、これまで多くの作品に出演してきました。
『ミッドナイトスワン』では、トランスジェンダーという難しい役どころを見事に演じ、評価されたところが記憶に新しいです。
そんな草彅剛さんも、将軍・徳川慶喜を演じるにあたって、四苦八苦したことがあるようです。
時代劇、ましてや、格式ある徳川家の将軍としての所作・ふるまい・着こなしには、さまざまな時代考証がつきます。
NHK大河ドラマでは、そういった総合演出が注目されています。
草彅剛さんは、帯の締め方をきっちりと覚えず自己流で済ましていたそうです。
そんな草彅剛さんに対して、所作の先生が”結構な圧”で指導されたとのことです。
にもかかわらず、草彅剛さんが適当に済ませていたところ、所作の先生が、毎回帯を締めてくれるようになったそうです(笑)
また、草彅剛さんが、カメラには映らない足さばきなどを適当にしていると、所作の先生がスタジオの隅で、じーっと草彅剛さんを見つめているのを感じ、「見透かされてる」と思ったそうです。
草彅剛さんは、そんなやりとりに自分自身でウケてしまい、楽しんでいたそうです。
肩の力がいい感じで抜けた、草彅剛さんらしいエピソードですよね。
慶喜公を終え、改めて草彅剛さんの分岐点とは?
「人生は深いよね」
草彅剛さんは、徳川慶喜を終え「自分の人生と役を照らし合わせたりとかはないな」としたうえで、「終わった。楽しかった。でも少し寂しい感じ」と語っています。
一方で、徳川慶喜を演じ、慶喜公を人として興味深い方だと考え、そのうえで次のようにコメントしています。
人生、うん、人生は深いよね。
(2022年1月号『月刊ザテレビジョン』)
私たちは、草彅剛さんの激動の芸能人生活を目にしています。
だからこそ、この「人生、うん、人生は深いよね」のコメントが、どれだけ深いかをということを感じてしまいます。
やはりというか当然というか…人生の分岐点とは?
草彅剛さんは、人生の分岐点について「グループの解散」としたうえで、次のように語っています。
(SMAPの活動を)30年近くやってた環境から遠くなったので。
それこそ仕事ってそれしかやったことがなかったし。
物心ついたときからレールに乗ってやってきたことだから。
(2022年1月号『月刊ザテレビジョン』)
私たちは、SMAPのメンバーとして、草彅剛さんを認識していました。
しかし、SMAPの活動以外で、個人として多くの活躍を知っています。
「レールに乗ってやってきた」という発言には、正直驚いてしまいます。
草彅剛さん本人の認識としては、SMAPの仕事しかやったことがない、と言うくらい、SMAPの活動が中心軸であったということが、よくわかるお話ですね。
SMAP解散以降、草彅剛さんという個性が際立つ活動が続いているのも、そのせいなのかもしれません。
徳川慶喜の好演冷めやらぬなか、草彅剛さんは、舞台『アルトウロ・ウイの興隆』では、1999年に演じた舞台『蒲田行進曲』の演出家・つかこうへいさんに追い込まれた時の経験を大事に稽古に励んでいるとのことです。
草彅剛さんの、今後のさらなる活躍が期待されますね。